ルパパトを全力で褒めたたえたい

ルパパトの最終回を見て、少し涙し、この作品が素晴らしかったと思った。 ただ言語を喪失して「素晴らしい」「ヤバい」「すこ」と繰り返していても何も生まれないので、少しずつ言語化してみたい。 まず、パトレンジャーが強化されなかった件。 確かにテコ入…

ルパパトは何かを誤ったのか

「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」は当初2つの戦隊の対決、ということで注目を集めた。 この手の新たな挑戦は言わば「宇宙戦隊キュウレンジャー」にも見られたもので、単純に好ましいと思う。「仮面ライダー」シリーズがリバイバル重視…

『仮面ライダービルド』の備忘録

『仮面ライダービルド』について、この作品が最終回を迎えた時に、自分が何を思い、何を考えたかの記録としての備忘録。映画は見ていないので、要するに本当のエンディングを見ていない? と言い始めると、はっきり言って仮面ライダーについて何か決まったこ…

『仮面ライダーW』における家父長制の崩壊

はじめに 「仮面ライダー」と家父長制 家父長制と拡張される家族の対立 家父長制の敗北 まとめに 付論 はじめに 2009年6月から2010年5月まで放送された『仮面ライダーW』は、「仮面ライダー」シリーズにおける平成2期のスタートを飾る作品であった。平成2…

『仮面ライダードライブ』における「自己否定」のあり方について

はじめに 平成2期における「自己否定」 『ドライブ』において おわりに はじめに 『仮面ライダードライブ』をはじめとする平成2期について、かつて以下の通り指摘したことがある。 「仮面ライダー」について知った顔して語る上では避けられないのが、『ユ…

「ヒロイン」と仮面ライダービルド

少女はヒーローになれるか 助力者の組織化 『ビルド』ではどうか。 まとめに 『仮面ライダービルド』に書くのは、第三弾になる。 実際には『ビルド』を通して、「仮面ライダー」シリーズの平成2期を、ひいては特撮全体を俯瞰しようという試みでもある。 第…

「国家」と仮面ライダービルド

英雄と国家 どのようにヒーローは国家と向き合ってきたか 「仮面ライダービルド」ではどうか。 ヒーローは兵器か 英雄と国家 英雄と書いて「ヒーロー」と読むのなら、それが自然「国家」なるものと密接不可分であろうことは容易に想像がつく。 かつて日本で…

「父」と仮面ライダービルド

はじめに 「父殺し」という構造 『仮面ライダービルド』における「父」 「成長」「父」「正義」 はじめに おそらく映画の撮影を残すものの、ドラマとしての『仮面ライダービルド』がクランクアップし、放送終了もおそらく目前に迫る中、あえてその放送終了を…

「仮面ライダービルド」における構造分析の備忘録

「仮面ライダービルド」は放送中である。なかなか評判は振るわないらしいが、確かに大人が見ればワクワクするストーリー展開であるし、少しライダーを齧っただけの私でも〝仮面ライダーらしさ〟を感じる。 おそらく放送終了後には一応作品全体を総括して何か…

入門「仮面ライダードライブ」論

はじめに 「仮面ライダードライブ」は2014年10月から、翌年9月に渡って、計48話が放送された特撮番組である。放送終了から3年が経過しようとしている。毎年新たな作品が放送される「仮面ライダー」の歴史にあって〝3年〟というのはあまりに長い。 日本の…

特撮についてこれまで考えたこと

仮面ライダービルドが放送中であるためか、2月に書いた記事の閲覧数が毎週日曜日にだけ増える。ありがいことなのだが、かなりやっつけに書いた節もあるし、その後少し考えたこともあるので、このあたりできちんと整理しておきたい。 kamen-rider.hatenablog…

仮面ライダービルドと戦争について

韓国人でありながら仮面ライダーに親しむという人のツイートをきっかけにして、というか実際にはそれ以前から仮面ライダーが戦争を描くということについてあちこちで取り上げられてきたのだろうが、その問題が明るみに出たと思う。 当初これについてはTwitte…

仮面ライダーと外部性、恐怖の論理

本ブログの拙記事(仮面ライダーとウルトラマンの比較について、現時点の考察 - 特撮の論壇)中において、仮面ライダーとウルトラマンをその外部性と内部性に着目して比較した。ここにその記事の一部を引用する。 こうしたところで気が付くのは、内部性と外…

「宇宙戦隊キュウレンジャー」について現時点での考察

本作品については、二度以降繰り返してこの作品を見るつもりはない。であるからタイトルに「現時点での」とあっても、これが恐らく最終的な考察になるだろうと思う。 さて、特撮には、特撮を知らない人から突っ込まれるようないくつかのポイントがある。ウル…

仮面ライダーとウルトラマンの比較について、現時点の考察

日本にある種々のヒーローものを「特撮モノ」あるいは「特撮カルチャー」と呼ぶとして、一応その萌芽はウルトラマンに見られると思う。もちろんゴジラなどがそれに先んじるわけであるが、戦後日本の破壊を願う危険分子でもない限り、ゴジラにヒロイズムを感…

仮面ライダーの命題

基本的に私が取り扱うのは、仮面ライダーであり、その中でも特に平成2期である。ウルトラマンシリーズの変遷や存在論についても興味はあるものの、まだシリーズを見始めたばかりであって、何かを論じるに値するほどではない。 仮面ライダーが正義の味方でな…