ルパパトを全力で褒めたたえたい

ルパパトの最終回を見て、少し涙し、この作品が素晴らしかったと思った。

ただ言語を喪失して「素晴らしい」「ヤバい」「すこ」と繰り返していても何も生まれないので、少しずつ言語化してみたい。

 

まず、パトレンジャーが強化されなかった件。

確かにテコ入れなのかもしれないけれど、最終的に金庫の中のルパンレンジャーの助けを必要としたけれど、それでもこれでよかったと思う。

何よりパトレンジャーは「警察」だから、別に軍隊みたいに「強化」される必要はない。

「警察」の装備は敵よりもずっと弱いかもしれないけれど、でも彼らの目的は強くなることではないし、ましてや戦うことでもない。

だから彼らが戦って勝てないとしても、だから彼らが強化されるべきではない。強化しなければ倒せないのだとすれば──「倒す」というのがすでにおかしいのだけれど──それはもう「警察」の本分を逸脱したということであって、別に強化されるべき理由にはならない。

 

最後のシーンなんか素晴らしかった。

結局ルパンレンジャーとパトレンジャーのいたちごっこはいつまでも続くのだ。

けれど、お互いの正体を知った今の彼らの戦いは、もう単なる警察と指名手配犯の戦いではない。

まさしく、ルパンと銭形のそれだ。

好敵手と化した二つの陣営は、きっとこれからも戦い続ける。それはいつまでも続くはずだ。でもその日常がきっとたまらなく楽しい(そんなことを言っては不謹慎だが)。

 

ルパンレンジャー一同を救うために、彼らが命を賭けても守ろうとしていた、兄や、恋人や、友人が、今度はそれぞれの弟や、恋人や、友人を守るために怪盗になる。

それは残念なことかもしれないけれど、良かったと思う。

「君の命を救うために怪盗になった」と言うと、今まで同じ地平に立って笑い、泣き、悩んでいた彼らが、「助けてあげた」「助けられた」という関係のなかでアンバランスになってしまう。

けれど、結局お互いがお互いを助けることで、そんな関係はチャラになる。再び同じ地平に立って、笑い、泣き、悩むことができる。

 

結局、どの登場人物も、他の戦隊モノとは比べられないほどに魅力的だった。

それはどのキャラクターも、お互いを引き立てあっていたから。

別にレッドだけが魅力的だとかではなくて、それぞれが何を考えていたのかがきちんと描かれていた。

 

こんなに素晴らしい戦隊モノを魅せられてしまったら、この先が辛い。

ただ、アニメ「銀魂」のタイトルから(マンがにもあるのかもしれない)。

──新しく始まる戦隊モノは最初はこんなの認めねェみたいになっているが最終回の頃には離れたくなくなっている